ネットいじめの現状と対策
全国ICTカウンセラー協会安川雅史
ネットいじめが広がった背景は子どもの携帯電話の普及率の高さと高機能性があげられる。従来のいじめは体力的に勝るなどの子どもがいじめの主犯格になっていたが、ネットという仮想空間の中では誰でも加害者になる可能性がある。さらに、これまでのいじめは不登校になればいじめから逃れることが出来たが、ネットいじめにあっている子どもは24時間365日いじめにさらされることになる。相手が誰かわからない匿名性も問題で、被害者は疑心暗鬼になり追い詰められていく。違法ソフトやサブアドレスを使えば他人になりすまして誹謗中傷メールを送ることも簡単に出来る。1人で何人にもなりすまし誹謗中傷メールを送る人もいる。そのようなメールを受け取れば誰でも人間不信になってしまう。しかしすべての携帯電話に、なりすましメールやサブアドレスからのメールを拒否する機能がついている。各携帯会社に連絡を取ればすぐにその設定方法は教えてもらえるので学校の教員も、設定方法は覚えておくべきである。また、チェーンメールで、裸の画像などを不特定多数の人に広めるいじめがある。これは、かつて流行った不幸の手紙の携帯メール版である。教員は子どもたちにチェーンメールは犯罪だということをしっかりと指導することが大切だ。また、メールがどこで止まったかを
調べることは出来ないし、迷惑メール相談センターや各携帯会社が迷惑メールの転送先を用意してくれている。学校側はそのような情報収集にも力を入れるべきである。
学校裏サイトは、全国規模の他、学校別の掲示板がある。在校生や卒業生が勝手に立ち上げた掲示板で、そこにはプライバシーは存在しない。名前を挙げられスレがたてば、お祭りが始まったように、悪口が書き込まれ、学校に登校するとある日、突然、いじめにあったり、無視されるケースもある。卑猥な画像をアップするケースも目立つ。また、掲示板に名前を書かれた人が目先を変えるために、別な人の誹謗中傷を書き込むケースがあり、いじめられていた子どもが突然いじめる側にまわるケースもある。誹謗中傷が書かれている掲示板を確認できたら、直接、掲示板には書き込まず、掲示板の管理者に削除依頼メールを送る。削除されない場合は、掲示板の最下部に書かれたリンクをクリックすると、掲示板サービスを提供しているプロバイダーのホームページにアクセスできる。そのページにある「問い合わせ」「違反BBS通報」から削除依頼メールを送ることが大切だ。また、ブログ、プロフ(プロフィールサイト)もトラブルの原因となっているケースが多い。ブログに傷つくような書き込みをされたり、プロフで知り合った人に危険なことをされたなど犯罪に巻き込まれるケースも多い。ブログやプロフを見ているのは子どもに興味を持った大人も多く。子どもになりすましメールのやり取りをしていることも忘れてはいけない。
ネットいじめの起こる背景
1999年ケータイにインターネット機能が加わり、定額制が導入された。パソコンが使えない子どもでも、ケータイの場合は簡単に自分のホームページを作ったり、ブログを開設したり、プロフィールサイトや、学校裏サイトを作ることができます。全国の高校生の9割以上がケータイを所有する時代になり、ネットを使ったいじめや犯罪に巻き込まれる子どもは後を絶ちません。日本人は特に、面と向かって人の悪口を言わずに、陰で人の悪口を言う傾向があります。匿名性が加わり、人間の悪の部分が出てきたといえます。(教員は、誰が書き込んだのかわかるんだぞ。と生徒を脅しますが、実際は警察が介入する犯罪的な書き込み以外は調べることができません)ネットいじめは、体格差など一切関係ないので、学校で目立たない子や、いじめられている子が加害者になることもあるのです。誰でも被害者にも加害者にもなる可能性があるのです。
ネットいじめ対策
■保護者との協力体制をしっかりとる
PTAも巻き込みフィルタリングの徹底。迷惑メール受信拒否の徹底
■生徒会と話し合い、目安箱の設置。
まずい書き込みや、嫌がらせを受けた子が気軽に報告、相談できる目安箱を作る。(生徒会と教員の協力体制を作る。
■先生方の勉強会、対策会議(教師全員が問題意識を持ち実態を把握することが大切)
■生徒向けの講演会の実施(年2回)・・・ケータイ販売促進になるような講演会は逆効果
■教員・保護者で、学校裏サイトやプロフィールサイトや、ブログの監視
■月1回匿名アンケートを取り、生徒たちの現状を把握する(学校裏サイト、プロフ、ブログなど)・・・生徒たちが構えるアンケートを実施しても本音を書かないので意味がない。
本音を聞きだす工夫が求められる
■実際のネットいじめの事例や犯罪をもとにグループ討議をさせる
LINEいじめ
全国ICTカウンセラー協会
安川雅史
LINEは電話番号を知っている人たちだけがつながって無料でやりとりするアプリです。世界で5億人、日本でも5200万人が登録しています。最近では、LINEによるいじめが頻繁に起こっています。LINEには、メンバーを強制退会させる機能がありますが、グループメンバーを強制退会させて仲間はずれにするなどのいじめも横行しています。LINEでブロックされたりグループに入れてもらえないといういじめもあります。既読なのに返信がこないので学校でも無視されたり、嫌がらせを受けるなどのいじめの相談もあります。スマートフォンを持っていなくて、LINE仲間に入れず、現実でも外しにあったり、LINEで既読無視だと、いじめにあったり、既読がつかなくてもおかしいと言われたり、強制退会させられたり、自分を外した別なLINEグループを他に作られたりLINEに疲れたと言う声もよく聞きます。LINE_IDを出会い系掲示板に書かれ、知らない人からメッセージが多数届いて困っているという相談もあります。またLINEを始めてからどこで止めていいかわからず、自由な時間が作れない、勉強に集中出来ない、睡眠不足になったという中高生も多いです。
LINEアカウントの漏えい、友人・知人に個人情報を知られた、友人・知人に個人情報を広められた、自分の友人や知人の個人情報を抜き取られた、ネットストーカーにあった、知り合いかも表示で友達になり詐欺に巻き込まれた、Facebookを荒らされた、社内で利用していて情報が漏れた、安易な書き込みにより刑事事件に発展してしまった。などのLINEがらみのトラブルも多発しています。
LINEトラブル
●2012年4月 奈良市の会社員の男(32)がLINEを通じて知り合った中学3年の女子生徒(14)にみだらな行為をして滋賀県青少年健全育成条例違反容疑で逮捕された。
●2012年7月 「LINE」を通じて知り合った少女(17)に睡眠薬を飲ませて乱暴したとして準強姦(ごうかん)容疑で滋賀県湖南市の無職の男(32)が逮捕された。男は別の女子高生(16)にも同様の手口で乱暴していた。
●2012年8月 大阪府警柏原署地域課巡査(24)が、「LINE」を通じて知り合った高校2年の女子生徒(16)とホテルで淫らな行為をしたとして、県青少年愛護条例違反の疑いで逮捕された。
● 2012年11月 男子大学生(22)から美人局(つつもたせ)の手法で現金を脅し取ったとして、無職少年(16)と女子高校生(16)が恐喝容疑で逮捕された。また別の無職少年(17)と女子中学生(14)が書類送検された。「LINE」のIDを教え合って会う約束をした女子高校生と男子大学生がラブホテルに行ったところ、駐車場に無職少年たちが待ち伏せをしており、現金3600円とキャッシュカードを男子大学生から奪った。
● 2013年1月 「LINE」で知り合った14〜16歳の少女と性的関係を持ったとして会社員の男3人が児童買春・児童ポルノ禁止法違反(児童買春)などの疑いで逮捕された。
● 2013年2月 神奈川県寒川町の公立中学校の男子生徒が1月30日に小学生の男児を平手打ちする動画iPadで撮影し、「LINE」に投稿。友人ら約40人に送信していたことが分かった。男子生徒と動画が閲覧できた約40人の生徒は退会させられた。
●2013年2月「LINE」を通じて男性会社員(27)から現金を脅し取ったとして、恐喝の疑いで無職少年(17)が逮捕された。「おれの女とチャットしたやろ。慰謝料を払え」と会社員に因縁をつけ、1月中旬に2回にわたって計15万円を脅し取った疑い。
●2013年3月 「LINE」のチャットで女性を装い、知り合った男性から現金を詐取したとして、愛知県警は詐欺の疑いで住所不定の無職少年(19)を逮捕した。同様の手法で7人から計約200万円を詐取したと少年は説明している。
●2013年3月「LINE」で知り合った当時15歳の女子高生に佐賀市内のホテルでみだらな行為をした疑いで、長崎県の会社員の男(32)が逮捕された。
●2013年3月 埼玉県東部の県立高校で2年生322人分の成績などの個人情報を含む資料が生徒の携帯電話で撮影され、「LINE」などで流出した
●2013年3月 「LINE」で知り合った中学校3年の女子生徒(15)に2万円を渡し、相模原市南区のホテルでみだらな行為をした疑いで学習塾講師(28)が逮捕された。
●2013年4月 「LINE」で知り合った無職男性(21)から美人局の手口で現金を脅し取ったとして、富山県東部在住の14〜16歳の少年少女の計4人が恐喝容疑で逮捕された。4人は同様の手口で10件ほど恐喝を重ねたと供述している。
●2013年4月 「LINE」で知り合った当時小学6年生の女児(12)にピアスの穴開け器具と消毒液(計2040円相当)を渡し、 みだらな行為をしたとして会社員(26)が逮捕された。
LINEを安全に使うために
●電話帳の自動登録を行わない
●知り合いかも表示を「しない」に設定する
●友だち自動追加設定を「オフ」にする
※「友だちの自動追加」機能を利用するか否かは必須でなく任意で、登録時に利用しないことも選択できる。
●友だちへの追加設定を許可を「オフ」にする
●IDの検索を許可設定を「オフ」にする
●メッセージ通知の内容表示設定を「オフ」にする
●タイムラインを新しい友だちに自動公開する設定をオフにする
●メールアドレスなど個人情報を記載しない
●信用できる友人ごとに公開設定を行う
●メッセージブロック・友達ブロックを有効に使う
●非公式LINEアプリ・掲示板は利用しない
●迷惑行為を受けたら通報する
●LINEアプリは最新状態を保つ
●非公式LINEアプリ・掲示板は利用しない
●出会い目的での利用は行わない
● LINEに設定した個人情報がどのように使われるかわからないので、初めて利用するときには、ケータイ電話番号の承認ではなく、Facebookアカウントでの承認がよい
LINEとは何か?
LINEは、スマートフォンで利用出来るアプリですが、ケータイやパソコンでも利用出来ます。SNS、無料通話、ゲーム、チャットの機能があります。
☆LINEの特徴
スマートフォンを利用している場合はケータイ会社に関係なく無料通話が出来ます。パケット通信を利用したインターネット電話なのでパケット通信定額制に加入していれば無料で利用でき、最大100名までのグループでの通話が出来ます。友達とのトークの他にも、クラブ活動などにも利用出来ます。
☆LINEの使い方
トークしたい友達を選んで、一人なら1対1チャット、複数選べばグループチャットとなり、入力するボックスにメッセージを書いて送信すればメッセージを送ることができます。
☆LINEスタンプ
LINEスタンプとは、テキストメッセージに挿入可能となっているイラストです。テキストメッセージにスタンプを加えることで、文字では表現しずらい気持ちを伝えることができます。
☆友達登録
フェイスブックのように専用ページに知り合いかもという項目が表示されます。その中に知り合いの可能性がある人、全く知らない人が表示されますので、申請することにより友達登録されます。通常は電話番号で検索されますので、知り合いの電話番号を検索してヒットすればLINE友達になります。スマートフォンのアドレス帳をアップロードして自動的に追加または招待することができます。QRコードからの追加、iPhoneどうしを振り合って追加、ID検索で追加する方法などがあります。
☆LINE依存症
LINEは、相手がメッセージを読むと、既読と表示が出ます。メールとは違い、相手が読んだことが分かってしまいます。読んだに返信を送らないとトラブルになるため、ついLINEに依存してしまいます。仲の良い友達とグループを作ってやりとりをするグループトークに参加しなければ仲間から疎外されているような感覚に陥ってしまうので常にLINEをやり続けてしまう。スタンプも充実していて面白く、メールよりも手軽で時差がないので、いつまでも続けてしまい終わりが見えずLINE依存症になってしまう人が増えています。
☆LINEで知らない人とやり取り出来る理由
LINEを使用する際には電話番号登録が必要となります。登録後、電話帳を送信した場合、自動的にLINEを利用している友人が登録されすぐにチャットやトークが利用できるようになります。しかし、これには「携帯電話番号の割り当て」が問題となります。現在、携帯番号不足で解約した携帯番号を約半年から1年で新規契約者に割り当てられています。このサイクルの速さが元で、以前使っていたユーザーの知り合い、友達、法人などから電話がかかってくるということが頻発し、消費者金融などから、とり立ての電話が子どもに持たしたケータイにかかってくるなど事例も発生しています。
☆LINEGAME
LINE POP、LINEまちがい探し、LINEウィンドランナーなどに代表されるLINE GAMEは無料で遊べるため、世界累計で億のダウンロードを突破しています。また、LINEで繋がっている友だちといつでもゲームが楽しめますので、一緒に競ったり、闘ったりすることが無料で出来ます。
☆LINEコミュニティーで出会い
友達登録やチャット、掲示板などの機能が備えられているため、出会いに利用している人がいます。しかし、LINEを出会い系として使用するのは危険であり規約違反です。性的な書き込みや、荒しなどの悪質行為はアカウント削除となります。
非公式のLINE掲示板がネット上に多数存在しております。それらの掲示板は公式ではありませんので、様々な悪質行為が行われているので注意が必要です。
安川雅史への講演依頼は070-6457-8693まで
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